このページは、暴行・傷害罪で不起訴になるためについて解説しています。

酔っぱらって暴行を振るい相手に怪我をさせた場合どうすればいいでしょうか?

夫(息子)の帰りを待っているのになかなか帰ってこない。 心配していると、夜中に警察から電話が掛かってきて、夫(息子)が酔っぱらって人を殴って逮捕されたと言われました。

こんなことは、起こって欲しくないですが、万が一起こってしまったら、当事務所までお電話下さい。

有名人が酔っぱらって、タクシーの運転手を殴ったなどのニュースを見ることがあるかと思います。 現代の社会は、ストレスが充満している社会です。 そのためか、当事務所の相談も、酔っぱらって、人を殴ったとの相談が数多く寄せられます。

傷害罪とは

傷害罪とは、刑法204条に定められている犯罪です。

窃盗罪と並んで、もっともよく知られた犯罪と言えるかと思いますが、その法定刑(法律で定められたその罪の刑罰)は、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と重いものです。

これは窃盗にも言えることですが、傷害罪といっても、①どのような暴行により傷害の結果を生じさせたのか、②その結果が、どのような程度のものなのか等により、さまざまな類型があり、そのため、法定刑の上限が高く定められているためです。

①どのような暴行かについていえば、武器のようなものを使ったのか、素手等か、また、素手等であっても殴ったのか、蹴飛ばしたのか、さらに、どこの部位に対し、攻撃を加えたのか、その場所・時間はいつか等によって、全くその評価は異なります。

例えば、頭への攻撃は、それだけでも、危険性が高い行為と評価されますし、手でなく(倒れている)相手の頭を蹴るなどすれば、大変、危険性が高い行為と評価されます。

また、②その結果が、どのような程度のものかも重要です。 打撲程度のものなのか、骨折か、全治1週間なのか、2ヶ月なのか。 当然、結果が重いほど、その行為に対する評価も悪くなります。

逮捕された場合

逮捕された状態で弁護士に委任された場合、弁護士は、まず逮捕された依頼者が釈放されるために活動することになります。 これは、傷害罪を否認している場合も、認めている場合も変わりません。

この点については、このHPの別の場所でも、詳しく説明していますが、警察で逮捕された被疑者は、釈放されない限り、48時間以内に書類及び証拠物とともに身柄を検察官に送致する手続きが取られます(刑訴203条1項、犯罪捜査規範130条1項)。

そして、検察官は、被疑者の弁解を聞いた上で、勾留の必要がないと判断した場合は釈放し、勾留の必要があると判断した場合は、裁判所に対し、10日間の勾留を請求することになります。

検察官から、勾留の請求を受けた裁判官は、被疑者に対し被疑事実を告げ、これに関する陳述を聞くなど勾留質問を行い、勾留請求が適法であり、勾留の理由及び必要があると認めたときは、勾留状を発行することになります。

検察官が被疑者の弁解を聞いた上で勾留請求を行うかどうかを決める日と裁判官が勾留質問の上、勾留状を発行するか、それとも、勾留請求を却下し、釈放するかを判断する日は、東京地裁及び東京地裁立川支部の管轄内においては、別々の日となりますが、その他の裁判所の管轄内では、同一の日で行うことがほとんどです。

弁護士としては、検察官が勾留請求を行うかどうかを判断する際、及び、裁判官が勾留状を発行するかどうかを判断する際に、検察官、裁判官に対し、説得のための交渉を行うことになります。

罪自体を認めている場合で被害者がだれか分かっているなどして連絡がつく場合、この間に被害者と示談ができれば、ある意味、一番強い交渉材料になります。

ただ、そもそも時間的に極めて制限されていることに加え、被害者がだれかわからないことが多く(警察は教えてくれない場合が多く、送致後、検事から教えてもらっても、既に時間がないことになります。)、困難な場合がほとんどです。

時々、ニュース等で、有名人が酔っぱらって、タクシー運転手を殴って、逮捕されたが、1~2日後に示談ができたとして釈放されたということが、報道されることがありますが、このような場合は、タクシー会社がわかっているため、被害者との連絡が可能であり、示談ができるので、これはレアケースです。

通常の場合は、①逃亡のおそれ、②罪証隠滅のおそれ(被害者を脅して証言を変えさせるなど証拠を隠滅するおそれ)等の勾留の要件がないことを、資料等で説明するなどして、交渉を行うことになります。

先ほどの有名人が酔っぱらって、タクシー運転手を殴って、逮捕されたが、1~2日後に釈放されるというケースには、示談まではできていないにせよ、このような要件を欠いているとして、釈放されるケースは、当事務所でも数多くありました。

①逃亡のおそれがないということについては、職業、家族、定住した住居等、②罪証隠滅のおそれについては、被害者を知らないこと、あるいは、客観的または実質上、脅すことなど考えられないことを資料等で説明し、説得することになります。

当事務所は、このような勾留請求の却下、勾留請求の阻止について多数の経験を有しています。

東京の警察に暴行・傷害事件で逮捕され刑事事件に強い弁護士をお探しなら、不起訴実績多数の川合晋太郎法律事務所まで、今すぐお問い合わせください。

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※無料相談が可能な方は「東京都内の警察に逮捕された方またはその家族の方」となります。

傷害の罪を認めている場合

傷害の罪を認めている場合、処分を軽くし、不起訴等にしてもらうためにはどうしたらいいのでしょうか。

その場合、もっとも有効な手段は、被害者との示談です。

示談が難しい場合としては、例えば、酔っぱらって駅員を殴り、傷害罪となった場合などですと、鉄道の運行という鉄道会社という御題組織の業務中に生じたことなので、その被害者個人の判断で示談を行うことができず、鉄道会社の判断から、示談は拒否されるのが一般です。

ただ、当事務所が弁護人となった事案で、担当弁護士の工夫・努力から、当該駅員との示談を行うことができ、無事、不起訴となった事案もあります。

また、感情のもつれから傷害に至った事案も場合によっては、示談が困難な場合があります。

示談金については、治療費も含むことになることから、怪我の程度により、数十万から、百万、二百万、それ以上とかなり異なることになります。

さらに、示談が成立しても、暴行の態様が悪質で一定以上の傷害が生じた場合、たとえば、コンクリートの床の上で相手の頭を踏みつけるなどの行為で全治2ヶ月程度の傷害が生じた場合などは、示談だけでは、初犯であっても、不起訴にはしてもらえない場合があります。

この場合は、そもそも、どうしてそのような暴行を行ったのか、お酒の依存症の傾向があるなら、診断、カウンセリングを受ける等して、その経過を意見書にまとめ、検事に提出し説得するなどの様々な工夫を行うことになります。

酔っぱらっている場合の問題点

酔っぱらって暴行を振るったという場合については、ほとんどの依頼者の方が、その行為について記憶にないとおっしゃいます。

しかし、犯行について「記憶がない。」ということは、犯罪の成立(この場合であれば傷害罪の成立)に必要な故意(犯罪行為に対する認識・認容)がないということを主張することになりますので、法的評価としては、否認、つまり、犯罪をしていないと主張していると評価されることになります。

法律家でない方には、「記憶がない。」=犯罪をしていないと主張することになるということが、やはり、感覚的には一番わかりにくいところだと思います。

依頼者としては、たぶん、被害者が言っているなら、自分が殴るなりをしたのだろうという意識なのですが、認めようとしても、具体的な行為がわかりません。
警察の取調でも、裁判となった際、誘導尋問と言われることもあることから、原則、被害者がなんと言っているか等については、警察からは言わないためなおさらです。

示談が成立している場合であれば、まだ、検事の追求も穏やかですが、成立していない場合は、検事によっては、鋭く追求される場合もあります。

弁護士としては、まず、依頼者が本当に暴行等を振るったのかを注意深く検討する必要はありますが、その判断の後、依頼者の認識(暴行を振るった)が正しいと判断されれば、「記憶にない」という主張を否認と受け取る検事との間で、依頼者がどのように証言すればいいかをアドバイスしなければなりません。

この作業は時には、大変難しくなることもあります。

当法律事務所は、刑事事件の95%以上で示談を成立させ多くの不起訴を獲得しています。

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