刑法の中で交通事故に適用される条文

刑法の中で、交通事故に適用される条文は、
第211条
(業務上過失致死傷罪)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。 重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
(自動車運転過失致死傷罪)
2  自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。 ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

第208条の2(危険運転致死傷罪)
アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、よって、人を負傷させた者は15年以下 の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
その進行を制御することが困難な高速度で、又はその進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させ、 よって人を死傷させた者も、同様とする。

2  人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、 かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、よって人を死傷させた者も、前項と同様とする。
赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し、 よって人を死傷させた者も、同様とする。

となっています。

もともとは、刑法第211条の業務上過失致死傷罪しか交通事故を犯罪として適用する条文はありませんでした。
しかし、悪質な交通事故についての刑が低すぎるとの批判のもと平成13年に危険運転致死傷罪を新設する刑法改正案が 成立し、刑法に導入されました。

なお、犯罪としての交通事故に適用される法律としては、他に道路交通法があります。

犯罪としての交通事故の近時の傾向

発生件数及び負傷者数は、平成12年から平成16年までの間、ほぼ横ばいのまま高水準で推移していましたが、平成17年 から5年連続で減少しています。

死亡者数は、平成5年以降、減少傾向にあり、平成21年は、4914人(前年比4.7%減)と、昭和27年以来57年ぶり5000人 を下回りました。

平成13年に新設された危険運転致死傷罪の検挙人員は、平成21年においては317人(前年比8.9%減)であり、自動車運転 過失致死傷等の検挙人員は、71万8633人(同3.1%減)でした。

このうち、致死事件の検挙人員は、危険運転致死27人(同22.9%減)、自動車運転過失致死及び業務上過失致死4277人 (同7.1%減)、過失致死(重過失致死を含む)23人(同30.3%)でした(警察庁交通局の統計による)。

ひき逃げ事件の発生件数は、平成12年以降急増しましたが、平成17年から5年連続で減少し、平成21年は1万2350件(前年 比1807件(12.8%))でした。

検挙率は、8年以降低下傾向にありましたが、平成17年からはやや上昇傾向にあります。

検察庁における処理状況を見てみると、平成21年における業務上過失致死傷罪及び道交法違反事件の公判請求の構成比は、 2.0%以下とかなり低く、前者では、不起訴の構成比が87.2%と極めて高く、 後者では、略式請求が65.1%と高い状態です。
これに対し、危険運転致死傷罪は、公判請求の率が81.0%と上記の事件と比べて著しく高いです。

裁判所における処理状況を見てみると、平成21年に、危険運転致死、同致傷、自動車運転過失致死傷罪・業務上過失致傷罪 及び道路交通法違反により、第一審で懲役又は禁錮を言い渡された者の率は以下のとおりです。

危険運転致死罪 全員実刑(19人) 5年を超える刑の者 57.9%
同致傷罪    実刑の者は28.4%(57人)
 5年を超える実刑の者1.0%
 自動車運転致傷罪・業務上過失致傷罪  実刑の者9.1%
 道路交通法違反            実刑の者19.0%

以上の結果から見ると、犯罪としての交通事故の処罰について、一定の厳罰化の傾向があることが伺われます。

参考 法務省総合研究所編「犯罪白書」等

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