早期の釈放、不起訴を目指す

起訴前の刑事弁護(逮捕後すぐに委任を受ける場合の刑事弁護)の圧倒的多くの場合は、以下の2通りのどちらかを目指します。

1.依頼者(被疑者)が無罪を主張している場合は、「嫌疑なし」あるいは「嫌疑不十分」を理由として行われる不起訴処分を取得すること、

2.依頼者(被疑者)が被疑事実を認めている場合は、「起訴猶予」あるいは「略式請求」を取得すること、

1.2のどれかを目指すことになります。

1の「嫌疑なし」あるいは「嫌疑不十分」を理由として行われる不起訴処分を目指す場合は、
もともとかなりの困難性を有する場合が多いことから、事後に公判請求が行われる可能性がきわめて大きいことも念頭に置き、

その公判の際、無罪主張の足を引っ張ることのないよう、ある程度、検察庁と対峙しつつ、 当該被疑事実を被疑者(ひぎしゃ)が行っていないことなど等を客観的証拠等に基づき、検察官を説得していかなければならないことになります。

ただ、起訴前の刑事弁護に共通した問題点ですが、弁護人に検察・警察が捜索等した証拠が開示されるのは起訴後であり、 起訴前には開示されていません。
そのため、弁護人としては、検察官や警察官と話しつつ、相手方の証拠を推測し、行動していかなければならないのです。

2の「起訴猶予」あるいは「略式請求」を取得することを目指す場合は、
犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに 犯罪後の状況により訴追を必要としないことを、検察官にわからせなければなりません。

その場合の大きな手段の一つは、被害者がいる場合は、被害者との示談です。

しかし、示談を行うとして弁護士にとっては、起訴前の約23日間は、大変短い期間です。
まず、示談を行うためには、被害者の氏名・連絡先を知らなければなりません。
むろん、被疑者の方や、その家族の方が、警察・検察に聞いても通常教えてもらえません。

弁護士であれば、少なくとも、検察・警察が自分たちの考えとして教えないということはありません (警察が検察に聞いてくれということはありますが)。
けれども、特に事件直後は、被害者の方が警察・検察に弁護士にも氏名・連絡先を教えないようにという意向を示され、 その意向により、警察・検察が弁護士にも氏名・連絡先を教えないということもあります。
被害者の氏名・連絡先を知るためにも、時間を要する場合(被害の態様等により被害者の怒りが強く教えてもらえない 場合もあります)があるのです。

また、被害者の氏名・連絡先がわかったとしても、いきなり、電話して、示談がその電話でまとまるというケースは まれであり、やはり、被害者の心情を考え、手紙・電話等で、アポイントを取ってからお会いするのが正攻法です。
さらに、1度会ったからといって、すぐまとまるとは限らず、むしろ、2~3度お会いしなくてはならないことも多い のですが、被害者も、勤務時間の関係から、休日しか会えないということもあり、時間的には、前記の23日間ではかなり 苦しくなるケースも多々あります。

加えて、前記にも書きましたとおり、23日間も丸々使えるわけではなく、曜日の関係があります。
前記の具体例では、当初の逮捕日が、月曜日と通常考えて、もっとも、平日が多い場合を例としてあげました。
その場合でも、勾留の満期日が5月20日(土)となり、最後の1日は使えないことになります。

被疑者に対する公訴の提起、不起訴等の処分を行うのは、検事ですので、弁護人も検事と交渉することに なります。

しかし、検事が当該事件の内容を多少でも理解するのは、勾留請求の前に、被疑者が送致 された時ですが、この時は、資料も少なく、正直、検事が被疑者と話すのは、15分~30分程度であり、 事件は、ほとんど理解できる状態ではありません。
結局、検事が当該事件をある程度、理解するのは、勾留延長の前に、その延長を裁判官に申し立てる ためもあって、そこまで、捜査された警察の資料が検察庁に送られ、検察官が被疑者を取り調べた段階以降 です。

また、この説明では、勾留請求の前に被疑者を取り調べた検事と、勾留 延長の前に取り調べる検事が同じ検事という前提ですが、そうであるならば、勾留請求の後であれば、 多少でも検事とも話はできますが、必ずしも、同じ検事が担当するとは限りません。

検事が異なるもっとも多いケースは、最初の検察庁への送致が、土曜日又は日曜日に当たるため、その取り調べを本来の 担当の検事ではなく当番の検事が行ったというケースです。
この場合でも、本来の担当の検事は決まっていますが、当該検事としては、担当となっていても、資料も読んでおらず、 被疑者とも会っていない状態ですので、事件については、全く理解できない状態です。

むろん、弁護人としては、この場合でも、警察の担当警察官と話すなどして、情報収集に努めますが、前記のとおり、 処分を決めるのは検察官ですので、実質的な交渉はできないことになります。

加えて、弁護士は、すぐに委任されるとは限らず、勾留延長の後に委任される場合もありますが、 この場合は、さらに、時間が少なく、弁護士としては、大変、苦しい思いをすることもあります。

示談の外に、起訴猶予にするための手段としては、被疑者の方が、再び、当該犯罪をしないことをできる だけ客観的に示す資料を提出することです。
たとえば、職場で、家庭で監督してくれる人がいれば、その方の陳述書あるいは、今、現在、職業がなくても、雇って くれるという人がいればその方の陳述書を提出するなども考えられます。
又、被害者の以内、薬物犯罪であっても、単純な一過性の事故使用のケースのように薬物依存がないケースについては、 本人の反省や親族の援助監督が期待できれば、その旨の資料を検察官に提出して、起訴猶予処分をすることを求める手段が考えられます。

ただ、示談以外の手段はいずれも、効果が不明確で、示談のように起訴猶予に向かわせる強力な力に欠け、 また、起訴前の短い時間の中では、提出することが困難なことも多く、 やはり、被害者のいる犯罪で、被疑事実を認めている場合、起訴猶予、略式請求きを求める最も有力な手段は、示談です。

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示談と不起訴
不起訴と罰金の違い
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