このページは、東京の警察に盗撮で逮捕され弁護士をお探しの方へ、盗撮の罰則、不起訴になるための方法などについて解説しています。
盗撮で逮捕された場合または警察から呼び出しを受けた場合、弁護士に至急ご相談ください。
盗撮の場合、弁護士が活動することにより、早期に釈放され、不起訴にすることができる可能性が高くなります。
当法律事務所では数多くの不起訴を獲得しています。
盗撮には性的姿態等撮影罪(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)が適用されます。
昔はビデオやカメラをカバンなどに隠して行われる盗撮が一般的でしたが、最近はスマートフォンでスカートの中を撮影する盗撮が行われるようになりました。
スマホが普及したことで酔っ払ってスマホを操作・撮影し、逮捕されてしまうなどの事案も発生しています。
東京の警察に盗撮で逮捕された、盗撮で警察から呼び出しを受けたなどで、盗撮に強い弁護士をお探しなら、不起訴実績多数の川合晋太郎法律事務所まで、今すぐお問い合わせください。
※無料相談が可能な方は「東京都内の警察に逮捕された方またはその家族の方」となります。
盗撮と罰則
令和5年6月16日、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(以下「性的姿態撮影等処罰法」といいます。)が成立し、同年7月13日から施行されました。
この法律により処罰対象とされる行為及び罰則は、以下の5つです。
スマホで撮影する盗撮は、1番目の「性的姿態等撮影罪」にあたります。
以下、この法律で処罰される5つの行為を解説いたします。
1 他人の「性的姿態等(性的な部位、身につけている下着、わいせつな行為・性行等がされている間における人の姿)」を、下記の①~④のような「態様・方法」で撮影する行為及びその未遂行為:性的姿態等撮影罪(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)
① 正当な理由がないのに、ひそかに、「性的姿態等」を撮影する。
② 相手が撮影等に同意しない意思を形成、表明している場合、これらを行うことが困難な状態にさせ、又は、相手がそのような状態にあることに乗じて、「性的姿態等」を撮影する。
③ 性的な行為でないと誤信させたり、特定の者以外はその画像を見ないと誤信させて、又は、相手がそのような誤信をしていることに乗じて、「性的姿態等」を撮影する。
④ 正当な理由がないのに、16才未満の子供の「性的姿態等」を撮影する。
2 「1」の撮影行為により生まれた記録を提供したり、公然と陳列する行為:性的影像記録提供等罪(特定又は少数の者に提供した場合は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、不特定・多数の者に提供又は公然と陳列した場合は、5年間以下の懲役又は500万円以下の罰金)
3 「1」の撮影行為により生まれた記録を、提供・公然陳列の目的で保管する行為:性的影像記録保管罪(2年以下の懲役又は200万円以下の罰金)
4 不特定・多数のものに「1」の撮影記録を配信する行為:性的姿勢等影像送信罪(5年以下の懲役又は500万円以下の罰金)
5 「4」の配信行為により送信された映像を記録する行為:性的姿態等影像記録罪(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金)
従前も、いわゆる盗撮行為については、各都道府県のいわゆる迷惑防止条例により、また、児童ポルノの製造等については、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ等処罰法」といいます。)(第7条5項、2項、2条3項)などにより、処罰対象とされていました。
しかし、例えば、旅客機内での盗撮行為は、旅客機が複数の都道府県にまたがって飛行することから迷惑防止条例での処罰が困難であったり、児童ポルノ等処罰法については被害対象が児童に限定されているなど、これらの条例や法律だけでは対応しきれない事例があることから、性的な姿態を撮影する行為等による被害の発生及び拡大を防止する必要があるとの理由から、この法律が制定されました。
この法律について、航空機内での盗撮を中心に取り上げたニュース等もありましたが、この法律は、航空機内でのいわゆる盗撮のみではなく、それ以外の場所での撮影及び配信等についても処罰対象にしています。
「性的姿態撮影等処罰法」は、罰則的には迷惑防止条例よりかなり重く、同条例等との適用場面はどのように違うことになるのか等、今後、その運用、適用対象等を含め、注視する必要があります。
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性的姿態撮影等を処罰する新法の適用事案
当事務所では、性的姿態撮影等処罰法の事件を受任し、解決しました。
ここでは、その内容をご紹介します。
行為態様は、店舗の中で女性のスカートの中をスマホで下から撮影しようとしたという従来であれば、迷惑防止条例の対象となるものでした。むろん、正当な理由がないのに、ひそかに、「性的姿態等」を撮影(1条1号)していますので、性的姿態撮影等処罰法の構成要件を満たしています。
今回の事件は、示談により不起訴となりましたので、裁判になったらどうなっていたか等はわかりません。また、示談金の金額も、今回の件では、従前の迷惑防止条例の場合と大きく違いはありませんでしたが、この1例だけでは、確定的なことがいえる状況ではありません。
もともと、条例は、「法律の範囲内で」地方自治体に制定権が認められているものです(憲法94条)。しかし、判例(徳島市公安条例事件:最大判昭和50年9月10日刑集29巻)は、「①国の法令の規制の趣旨が全国一律の均一的な規制をめざしていると解される場合には、条例によって、法令が規律の対象としていない事項を法令と同一の目的で規制したり、法令が規律の対象としている事項をより厳しく規制したりすることは、許されないが、②法令が全国的な規制を最低基準として定めていると解される場合には、ともに許される旨」と判示しています(芦部信喜・高橋和之「憲法 第六版」(Kindleの位置No.7468-7473)。
このように、「法律の範囲内で」とされながら、条例の制定範囲は、かなり広範なものであり、近時は、特に、暴力団排除条例のように法律では規定しづらい範囲を率先して規制する条例や、相手方の承諾なくGPS機器等に関わる位置情報を取得する行為等について、ストーカー規制法の規制範囲外の行為を規制する条例(「東京都の迷惑防止条例の改正(「相手方の承諾なくGPS機器等に関わる位置情報を取得する行為外)」の記事に記載しました。)なども、あります。
性的姿態撮影等処罰法と従前の迷惑防止条例との関係がどのようになるかについては、①通常形態の初犯の盗撮の場合であっても、性的姿態撮影等処罰法の刑罰が3年以下の懲役又は300万円以下の罰金であるのに対し、例えば東京都の迷惑防止条例の刑罰は6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金とかなり軽いこと、②性的姿態撮影等処罰法の処罰範囲が迷惑防止条例の処罰範囲を含んでいるように解釈できることから、今後、盗撮については、基本的には、性的姿態撮影等処罰法のみが適用されるのではないかとも思えますが、今後の運用、解釈論の推移、裁判例等を見ていく必要があります。
盗撮行為を弁護する弁護士の役割
盗撮を行ったことを認めている場合
盗撮を弁護する弁護士の活動は、
ア 勾留請求却下を目指す弁護士の活動
イ 示談成立等情状を得るための弁護士の活動
になります。
ア 勾留請求却下を目指す弁護士の活動
警察に逮捕された場合、48時間以内に、検察に送致され勾留請求されるか、釈放されるか、公訴の提起が行われるかが決められます。勾留請求された場合は、逮捕されてから、72時間以内(警察からの送致から24時間以内)に裁判所に送致され、勾留請求が認められるか、勾留請求が却下されるかが決められます。
検察で釈放された場合及び裁判所で勾留請求が却下された場合は、逮捕された被疑者は自由になります。しかし、逮捕、勾留、起訴までの間で、釈放される明確なチャンスは、原則として、この2回の判断の時点だけです(検察の勾留請求を行うかどうかの判断と裁判所の勾留請求を却下するかどうかの判断)。
依頼を受けた弁護士は、まず、被疑者の接見を行い、事実関係等を確認することになります。ここでは、罪を認めている場合ですので、その前提で記載します。
接見の際は、これから記載することだけでなく、できるだけ多くの事項を聞き取るようにしますが、特にこの逮捕の直後の最初の接見については、聞かねばならないことが多いことから、まずは、下記のことを中心に聞くことになります。
裁判官が勾留を認めるためには勾留の理由が必要です。ですから、これを否定する事実を聞き取って集めていくことが必要です。また、それを裏付ける証拠がないかも、考え、準備することになります。
勾留の理由とは、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、① 被疑者が定まった住居を有しない時、② 被疑者が罪証を隠滅する(証拠を改ざんあるいは、消滅させてしまうこと)と疑うに足りる相当な理由があるとき、③被疑者が逃亡し、または、逃亡をすると疑うに足りる相当な理由があるときの①~③のいずれかがある場合です。
② 被疑者が罪証を隠滅する(証拠を改ざんあるいは、消滅させてしまうこと)と疑うに足りる相当な理由の例としては、被害者と接触しその証言を変更させるとか、客観的な証拠(写真のデーターなど)を破棄したりすることが考えられます。
しかし、盗撮の場合は、初めてあった被害者を盗撮することが多く、また、逮捕の際に写真のデーターなどが押収されていることが多いため、この要件は、比較的主張しやすいケースが多いです。
問題は、③被疑者が逃亡し、または、逃亡をすると疑うに足りる相当な理由があるときです。この場合は、まず、住居があること、定職があること、居住している家族がいることについて、聞き取り、添付して提出できる資料がないかを確認します。
また、裁判所などは、勾留請求却下の場合も、被疑者が釈放後も会わないよう求めてきますので、撮影場所を通らないような通勤経路等を検討することも必要になります。そのうえで、そのような通勤経路を使用することを書面に記載します。
前記のように、釈放には、検察、裁判所の2回のチャンスがありますが、検察は警察と同様、犯罪の捜査等を目的とする組織ですので、勾留請求を行う場合がほとんどで、この意味では、裁判所の勾留請求却下取得が主たる目標となります(また、東京以外の地域は、検察庁・裁判所のこれらの判断が同一日に行われますので、事実上1回の判断となります。)。
東京の場合は、検察庁、裁判所の判断が、それぞれ別の日に行われます。
逮捕された時間帯にもよりますが、逮捕された次の日又は次の次の日に検察庁に行き、さらにその次の日に裁判所に被疑者は行くことになります。
逮捕された日に接見した弁護士は、被疑者より聞き取った事実を元に書面を作成し、次の日、担当検事が決まる朝11時ころに、検察庁に提出し、検察官が許せば、面談・電話での説明等を行い、勾留請求をしないように働きかけます。
検察官が勾留請求を行った場合は、被疑者が警察署に帰ってくる夜に再度接見し、聞き取りの補充を行い、新たに書面を作成するとともに、次の日の朝、裁判所に面談(又は電話)の希望と作成した書面をFAXします。
そのうえで、裁判官と面談し、説明、交渉をして、勾留請求を却下するよう求めることになります。
イ 示談成立等情状を得るための弁護士の活動
アのように、勾留請求却下等を求めても、認められない場合もあります。
また、勾留請求却下を得て釈放された場合も、処分の問題は残ります。そこで、罪を認める場合は、弁護士は被害者と示談ができるように動くことになります。
まず、検察等に被害者の意向を聞いてもらいます。被害者が弁護士と会うことを承諾した場合には、被害者の希望に合わせ連絡を取り、被害者とお会いして、話すことになります。被害者とどのように話すのかは、それぞれの弁護士によっても違います。ここでは、詳細は省略しますが、私は、被害者の話をよく聞くことを心がけています。
被害者ごとに、犯罪である盗撮での傷つき方は違います。むろん、聞いただけで、理解できるわけではありません。しかし、まず、聞きとることで、少しでも理解した上で、示談のメリット・デメリットについても、説明した上で、示談をするかどうかを判断してもらうことにしています。
なお、盗撮の場合は、例えば、被害者が盗撮されたことに気付かないまま立ち去ってしまった場合等、被害者がいない(特定されていない)ケースがあります。
この場合は、被害者と連絡を取ることが不可能であり、示談はできないことになります。
そこで、被疑者に専門医の性依存症のカウンセリングを受けてもらいその結果を書面にして、提出したり性犯罪被害者の本を読んでもらい反省文を書いてもらうなどの他のさまざまな方法で、被疑者に有利な情状を集めることになります。
盗撮を行ったことを否認している(無罪を主張している)場合
依頼者の方が無罪を主張している場合、原則としては、依頼者である被疑者に黙秘をしてもらうことになります。
警察・検察で自白調書が作成されないように、弁護士がそれを支えます。
警察・検察で、「盗撮をしました」等、いったん罪を認める自白調書が作成されてしまえば、後に裁判になって「盗撮はしていない」と供述しても、その供述を裁判官に認めて貰うことは極めて困難です。
ですからこのような自白調書を作成させないことが重要になります。
逮捕されても勾留請求却下等で釈放された場合や、もともと、逮捕されず在宅で捜査がなされていた場合は、警察、検察に取調のための任意出頭を、何度か求められることになります。
これを拒否等すると、再逮捕の危険性がありますので、基本的にこれらの出頭要請には応じるようにします。
また、弁護士であっても、取調に同席することは認められません。 しかし、被疑者とともに警察署、検察庁に同行し、黙秘権を行使する(だまっている)内容の上申書を提出する等のサポートを行います。
逮捕、勾留されている場合は、できるだけ多く接見に行き、「被疑者ノート」を差し入れた上で、依頼者である被疑者の方に、取り調べで聞かれた内容をノートに記載していただくようにしています。 また、供述調書が作成されることの意味や、黙秘権を行使することの重要性を詳しく説明するなどして、被疑者をサポートします。
逮捕、勾留に至っている事案において、警察、検察に自分が無実であることを説得しようとされる方(大部分の方ですが)も、いらっしゃいますが、基本的には、警察、検察を説得することはできません。
警察、検察は、あなたを犯人だと考え、逮捕、勾留をしているのです。
その考えは、変わらないと思った方がよいと思います。不起訴になる場合も、それは、裁判で有罪となるだけの証拠がないと検事が考えたからであって、あなたが無実だと思ったからではないと考えていた方が、否認の場合のスタンスとしてはよいと思います。
起訴された場合は、裁判で、無罪を主張し、争うことになります。
これが否認の場合の対応ですが、これはあくまで原則的なものであり、個々の事案により、より細かく或いは全く違った対応を行うこともあります。
ただし盗撮の場合は、カメラ、スマホ等の機材があることから、その存在自体、あるいは、残存したデーターなどから犯行が立証されてしまうことが多く、盗撮行為を否定できる場合は、少ないです。
東京の警察に盗撮で逮捕された、盗撮で警察から呼び出しを受けたなどで、盗撮に強い弁護士をお探しなら、不起訴実績多数の川合晋太郎法律事務所まで、今すぐお問い合わせください。
※無料相談が可能な方は「東京都内の警察に逮捕された方またはその家族の方」となります。