警察で逮捕されてから検察に送致されるまでの48時間以内、及び勾留請求をする場合等には裁判所に72時間以内という場合、どの時点から時間を計算するのか教えてという質問がありましたので、同じような疑問を持たれた方のために、本記事を書きました。

端的に言ってしまえば、逮捕時から計算することになりますが、逮捕には、通常逮捕(つうじょうたいほ)、現行犯逮捕(げんこうはんたいほ)、等があり、どのように逮捕されるかにより、48時間の始まりが決まります。

例えば、1日、午前8時30分の電車の中で、被疑者が痴漢をして、その被害者に捕まえられた場合、これは現行犯逮捕と考えられます。また、被疑者が逃げたところ、駅構内で直ちに駅員等に捕まった場合は、準現行犯逮捕と考えられます。現行犯逮捕も、準現行犯逮捕も令状がなくても、また警察官等でない私人であっても逮捕することができます。ただし、私人が逮捕したときは、直ちにこれを、検察官又は司法警察員に引き渡さなければなりません。この場合、3日午前8時30分が48時間目、4日午前8時30分が72時間目になります。

上記の場合で、現行犯逮捕、準現行犯逮捕されず、駅の事務室等について行き、その後、警察署で取調を受けて、1日午後3時に逮捕された場合、この逮捕は、司法警察員が裁判所に逮捕状の請求を行い、逮捕状が発布されることにより行われる通常逮捕です。この場合、3日の午後3時30分が48時間目、4日の午後3時30分が72時間目になります。

ただ、現行犯逮捕、準現行犯逮捕の場合も、その場で手続をするわけではなく、警察署に行った後に手続を行いますので、実質は、現行犯逮捕、準現行犯逮捕の場合でも、通常逮捕の手続で行われる場合もあるようです。

弁護士は、被疑者が起訴され、証拠が開示されるまでは、警察、検察の書類関係を見ることができず、その場合でも、逮捕の過程が争いになるなどしない限り、逮捕状は開示されないのが通常です。

そこで、被疑者の方に、いつ、令状を見せられ逮捕されたかどうか等を聞きますが、あまり、はっきり覚えていない方も多く、48時間目、72時間目の正確な時間は分からず、大体の時間感覚で、起訴前の弁護を進めることになります。