痴漢行為を認めている場合の弁護士の活動

ア 勾留請求却下を目指す弁護士の活動
逮捕された当日あるいは翌日、勾留決定が出される前に家族から相談を受けた場合は、弁護士は、勾留決定が出されず、早期に釈放されるように動きます。

まず、家族等から、いろいろ事情を聞き(この時点では、家族は本人が痴漢行為を行ったことを否定しているか、認めているか把握していないことがほとんどですが、逃亡のおそれがないこと等、被疑者に有利な事情を重点的に聞き取ります)、身元引受書等を作成していただいて、接見に行きます。 なお、当事務所の場合、この時点で、弁護士報酬(着手金・報酬金)についてはっきり説明した上で契約します。 また、仮に接見に行った結果、被疑者本人が私たちに委任しなかった場合は、当該接見の費用(5万円+消費税)だけいただくことにしております(契約書にもその旨明記されています)。

したがって、接見後、いきなり、聞いていない何百万円もの請求書がくるというようなことはありません。

その翌日、被疑者と記録が検察庁に送られ、検事が勾留請求をするかどうか決めるという日程であれば(東京地裁本庁・立川支部の場合、被疑者等が検察庁と裁判所に送られる日は別々になりますが、それ以外の裁判所の場合は、同一期日になります。 これ以後の記載は、東京地裁本庁を前提に記載します。)、検察官に対し、被疑者を勾留せず、在宅で捜査するべき旨を記載した意見書を作成します。 その上で、検察官が被疑者と面接する前に、意見書を提出し、できれば、検察官と面接又は電話で交渉することを試みます。

検察官も警察と同様、捜査に重点をおいて考えますので、特に否認の場合(無罪を主張している場合)ですと、ほとんど釈放されることはありません。 しかし、検察官と話ができれば、被害者がどのように述べているか等について情報を得ることができることもあるため、当事務所では、基本的に検察官にも、意見書を出し、交渉するようにしています。

検察官が勾留請求をした場合は、被疑者が警察署に戻った段階で再度接見し、さらに、それまでに得られた情報を加味して、裁判官に対し、検察官の勾留請求を却下することを求める意見書を作成します。

次の日に、被疑者と記録が裁判所に送られますので(繰り返しますが、これは東京地裁本庁・立川支部の場合です)、朝、裁判所に電話をし、FAXで意見書を送付するとともに裁判官との面談の予約をとります(休日の場合は、直接届ける等します)。その上で、裁判官に対し、勾留請求を却下するよう交渉することになります。

勾留決定が出される要件は、「被疑者の住所不定」、「罪証隠滅(ざいしょういんめつ)のおそれ(=証拠を隠したり、被害者・目撃者に接触したり、共犯者と口裏を合わせたりすることです)」、または、「逃亡のおそれ」のどれかがあることです。
被疑者の住所不定は、私選で弁護人を頼む場合にはあまりありません。また、痴漢の場合は、被害者の証言が一番の証拠となることが多いですが、多くの場合は、被害者と接触したのも初めてで、どこの誰かも知らないため、「罪証隠滅のおそれ」が問題となることは比較的少ないです。
そこで、弁護士は、依頼者や家族から就業先の会社がどのような会社か、家は一軒家かアパートか、単身者か家庭を有しているか、家族に被疑者の監督を期待できるか等を聞き取り、証拠を集め(HP、登記簿謄本等)、意見書や面談で、裁判官に「逃亡のおそれ」がないことを、示していくことになります。

この要件の問題とは別に、意外とよく問題となるのは、「酔っ払って覚えていない。」というケースです。 一般社会では、酔っ払って覚えていないというのは謝罪ととらえられることもありますが、法律的には、覚えていない以上は痴漢行為の存在を否定していることになり、否認と扱われます。 もちろん、後記のとおり、否認の場合でも、勾留請求が却下されることはありますが、覚えていない場合は、そのような行為をしていないという明確な反論もできないことになり、かえって、勾留請求却下を取得する上では、マイナスになります。 そこで、短期間しか時間がない中で、被疑者の方とコミュニケーションを取りつつ、最善と考えられる主張を生み出していくことになります。

また、勾留決定が出てしまった場合、これに対し、準抗告という不服申立を行うこともあります。

03-3511-5801

示談成立等情状を得るための弁護士の活動

勾留請求却下が認められたにせよ、もともと、逮捕されずに在宅であったにせよ、検察官により、起訴(略式命令を含む)又は、不起訴の処分が決められることになります。 勾留が認められてしまった場合も同様で、むしろ、処分が決められるまでは釈放されないということになりますので、できるだけ軽い処分を求めるための情状を得ることが、弁護士の活動として重要になります。

迷惑防止条例の保護法益(当該法律が保護している利益)は「(都道府県の)市民生活の平穏の保持」等の社会的法益と考えられていますが、実務上、検事が起訴・不起訴の処分を判断するに際しては、被害者との間で示談が出来ているかどうかを重視しています。

そのため、前科がない場合であれば、示談成立によってほぼ不起訴(起訴猶予)になります。 理屈では、示談ができても、100パーセント不起訴(起訴猶予)になるわけではありませんが、少なくとも当事務所で受任した初犯の痴漢(ちかん)の自白事件で、今まで、示談ができたにも係らず不起訴(起訴猶予)にならなかったものはありません。

逆に言うと、示談が成立しない場合、例えば、後で記載する心療内科へのカウンセリング等を受ける等のことをしても、不起訴(起訴猶予)の結果を得ることは難しいです。

この意味で、示談は重要です。 当事務所の場合、示談の成功率は9割を超えます。 ただし、被害者が未成年の場合は、親が示談交渉の相手になるため、被害感情等の関係から、成人女性の場合と比べ、相対的に示談は成立しにくくなります(特に、被害者の父親が交渉相手になった場合)。

金額としては、あくまで、被害者が納得する金額となりますので、確立した相場等はありませんが、過去の事例によれば、迷惑防止条例違反の痴漢(ちかん)の場合は、示談金は30万円~50万円程度のことが多いのではないでしょうか。 示談金の金額は、被疑者が初犯でない場合、犯行を最初に否認していた場合、被害者が引っ越し等を行った場合は、高くなる傾向があります。 また、お金の支払いだけでなく、電車の中の痴漢(ちかん)であれば、その電車の路線の使用の禁止、あるいは、一定の時間帯における使用の禁止を条件として、求められることもあります。

迷惑防止条例違反が2度目以降の場合、不起訴(起訴猶予)あるいは、より軽い処分を求めるのであっても、示談は必須です。 その上で、示談の文言あるいは、依存症等について心療内科でカウンセリングを受けるなどさまざまな工夫をして、情状を良くするように行動します。

その他の弁護士の活動

痴漢(ちかん)行為を行ったが、否認したところ、逮捕されず、釈放されたがどうしたらよいだろうかという相談があります。

事実関係を細かくお聞きしてから判断することになりますが、警察署に、痴漢(ちかん)行為を行ったことを言った方がよいという判断になった場合は、弁護士が事前に準備した上で、所轄の警察署に同行する等します。

初回相談は無料です。 痴漢で逮捕された方、今すぐお電話ください。

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