釈放の3つのケース

起訴前で釈放になる3つのケースを解説します。

釈放されるパターンもそれぞれですが、参考にしてください。

釈放のケース1.逮捕期間の満了時

まず、そもそも、逮捕されないケース及び逮捕されたが検察庁への送致が行われず釈放される場合が考えられます。

具体的には、お酒で酔っぱらい暴れてしまい、警察署に泊められたが翌朝、 説教を受けて自由になったケースをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

ただ、この時点で釈放された場合は、そもそも弁護士は関与する必要はないケースが多いかと思います。

釈放のケース2.勾留(こうりゅう)請求の時点

次に、被疑者(ひぎしゃ)が釈放される可能性があるのは、勾留請求の時点が考えられます。

逮捕直後に弁護士に委任がされることが前提ですが、
(1)検察官に対し勾留請求を出さないように働きかける
(2)裁判官に対し勾留請求却下をしてもらうよう働きかける
(3)勾留請求決定に対し準抗告を申し立てる
の3つが考えられます。

(1)検察官に対し勾留請求を出さないように働きかける

まず、(1)の検察官に対し勾留請求を出さないように働きかけることですが、理屈では考えられるのですが、 正直言って、捜査側である検事が、勾留請求を必要だと考えているのにそれをしないことは考えられず、 ほとんどの場合、無理かと考えられます。

ただ、事案によって、警察と検察の考え方にズレがあるのではないかと考えられる場合や、無罪を主張し否認を争う場合 でその大きな戦術の一環として意見書等で検察に勾留が不必要であることを主張することは考えられます。

私が無罪判決を取得した事件でも、結果的には勾留請求がされ、保釈まで釈放はされませんでしたが、 検察庁に勾留の不必要の意見書を提出した事件もあります。

ただ、逆に言えば、これらのようなケースを除いては、効果はありません。
場合によっては逆効果も考えられなくはないため、
むやみにはできないかと思います。

(2)裁判官に対し勾留請求却下をしてもらうよう働きかける

次に、(2)の裁判官に対して検察官が出した勾留請求を却下(勾留請求を認めないこと) をしてもらうよう働きかけることが考えられます。

これも、従前は、意見書を出して、裁判官と面接をしても、勾留請求却下を出してもらえることは 少なかったと言ってもいいかと思います。

ただ、平成19年(2007年)頃より、特に痴漢事件を中心として、 裁判所(東京の場合は東京地方裁判所刑事第14部勾留状等の令状を担当する部です)が、 従前よりも、勾留状請求却下の決定を出すようになりました。

このような裁判所の運用の修正について、私の個人的な感想では、その少し前に公開された周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」が、 大きな影響力があったのではないかと思っています(裁判官の中には映画好きの方が多いというのが、根拠はありませんが、私の感覚です)。

私が実際に勾留請求却下の決定を取得したケースで、どのように具体的に動いたか等をさしさわりがない 範囲で記載させていただきます。

依頼者が逮捕されたのは、●月8日 この日、依頼を受け、夜、●●警察署の留置場内の依頼者と会い、委任を受け、弁護人となりました。
この際、逮捕された状況等を聞き取りました。

翌9日、依頼者は検察庁に送致されました。
私は、本人の家族と会い、状況を説明するとともに、身柄引受書を作成しました。

翌10日 依頼者は勾留質問のため●●地方裁判所に連れて行かれました。
私も朝、同裁判所令状部に意見書と身柄引受書を提出するとともに、裁判官と面接する予約を取り、 裁判官の時間があくまで待ちました。
その上で、裁判官と会い、説得したところ、依頼者本人に会った上で決めるということで、同時に、同日午後、 裁判所から指示があれば身柄を引き受ける家族を連れてくるよう言われました。

すると、午後、裁判所から、当該家族を連れてくるように指示があったことから、連れて行ったところ、 勾留請求を却下するとの話となりました。

ただ、疑いを掛けられた犯罪(被疑事実)との関係で、一定の条件(一定の場所に行かないこと等)をつけられました。
そして、勾留請求が却下され、依頼者は釈放されました。

ただ、勾留請求却下で、依頼者は釈放され自由になりますが、それだけで、事件が終わりになるわけ ではなく、捜査等の上、検察官の何らかの処分(公訴の提起・不起訴処分等)が行なわれ、初めて、事件が終了します。

この事件の場合は、追加で依頼者が警察、検察に呼ばれることはなく、半年位たった後、不起訴処分(嫌疑不十分)となりました。

この事例でもわかるとおり、勾留請求却下をしてもらうよう裁判所に働きかけるためには、逮捕後 できるだけ早く(逮捕の日あるいは遅くともその翌日)、弁護士に委任してもらわないと対応できないことになります。

また、事案によっては、勾留請求却下の可能性がないものも多く、 弁護人としては、事案を見分けていくことが、重要です。

(3)勾留請求決定に対し準抗告を申し立てる

(3)の準抗告は、勾留請求を認めた決定について裁判所に対してその取消または変更を求めることです。

ただ、これも、(1)ほどではないにせよ、認められづらいのが実情で、やはり、一定の事案の場合に行われることになります。

釈放のケース3.勾留期間の満期前に処分なしで釈放される場合

勾留期間の満了前で処分が決まらずに釈放されるケースです。

留置の必要なしということでの釈放ということになりますが、 少なくとも弁護士が受任するようなケースでは珍しいのではないかと思います。

私自身も1回しか経験がありません。
痴漢のケースでしたが、そのケースは、 勾留の理由とされた被疑事実(依頼者は否認していました)が仮にあったとしても、 その行為が痴漢となるかどうか疑わしいというかなり特殊なケースでした。

初回相談は無料です。今すぐご相談ください

このページの先頭へ