女性が勾留される留置施設

 逮捕され勾留された場合は、留置場(りゅうちじょう)か、拘置所(こうちしょ)に勾留されることになります。

 留置場(りゅうちじょう)と拘置所(こうちしょ)は、被疑者・被告人が勾留される場所であることは、共通ですが、留置場(りゅうちじょう)が、警察署の管理下にあるのに対し、拘置所(こうちしょ)は、法務省の管理下にある点で違います。

 勾留が捜査のために逃亡・罪証隠滅(ざいしょういんめつ)(証拠を隠したり、無くしたりなどすること)のおそれを防止することにあり、捜査機関による取り調べにあるものでないこと、被疑者(ひぎしゃ)を警察の管理下である留置場(りゅうちじょう)で勾留(こうりゅう)することは、精神的に自白を強要することにつながりかねないことからすれば、拘置所を勾留の場所とするのが妥当です。

 しかし、拘置所の数が警察の留置場の数より著しく少ないため、被疑者(ひぎしゃ)勾留(こうりゅう)を拘置所で行うというのは現実的とはいえないのが現状のです。

 ほとんどの警察署は、男性を留置できる留置場を有するため、男性が逮捕・勾留された場合は、犯罪現場等に比較的近い警察署に留置されることが多いことになります。

 しかし、女性の場合は、東京で言えば、23区内は、女子の留置施設のあるのは、湾岸警察署、原宿警察署、西が丘分室位であり、23区外は、武蔵野警察署、多摩分室(立川)位しかありません。 このうち、西が丘分室と多摩分室は、警察署ではなく、警視庁直轄の施設です。

 これは、女性を留置する場合担当する留置係も女性にしなくてはならない等の理由のため、警察としても、女性を留置できる場所を増やせない等の理由があるようです。

 このため、女性の被疑者が留置される場合は、逮捕された場所等より遠く離れた場所に留置されることも多くなります。 また、女性が留置される場所が少ないため、1つの箇所に留置されている被疑者の数が多く、比較的接見室の数自体は多い留置施設が多いですが、接見しようとする弁護士が多数集中し、接見室が空くのに長時間待たなければならないことも多くなります。

 他方、女性の留置施設が少ないことから、昨年(平成23年)は、家族等から、女性の方が逮捕されたようだがどこにいるかわからない(それぞれの理由から警察等から連絡が来なかった)と相談されたケースが2件ほどありましたが、いずれも、上記の留置施設の2~3カ所を確認することにより、留置されている場所がわかりました。

 女性が留置されているか、男性が留置されているかで、待遇が異なるわけではありません。ただ、留置されている方に何を差し入れられるかについて、女性の方はその衣服の性質上等、結果的に入れられない物が多くなります。

 留置施設に物を差し入れられるかどうかは、①自殺、他傷(他人を傷つける可能性)等の危険性の有無、②施設管理の必要性等から判断されるようです。

 例えば、口に入る物は、食品、飲み物はだめですし、薬もだめです(警察が医療機関に連れて行き、新しい薬をもらうことになります)。

 先の尖った筆記用具もだめです。留置所内では、先がほとんど出ていないボールペン等を貸し出しているようです。

 また、顔が見えないようではだめなので、パーカー等の顔が隠れるフードがついたものは、だめです

 さらに、ホチキス止めの書類はだめです。ただ、差し入れると、警察の方で、穴を開けて短いひもでつづってくれるようではあります。

 加えて、女性の場合は、衣服の関係で、レースの付いた服が多いですが、これはだめで(洗濯機でまとめて洗濯するため)、ブラジャー・長い靴下等(自殺等のためのヒモと使用される危険があるため)もだめです。 このため、透き通る白いシャツもだめとなります(出入り等男性の被疑者と同行することもあるため)。

 このように女性の場合、結果的に差し入れできる物についての制限がより厳しいため、差し入れる前に、当該留置場の留置係に確認等する方がいいでしょう。

 留置場の中では、名前は使用されず番号のみで呼ばれる等します。これは、留置場内で被疑者同士の相互の秘密を守る等のためです(これは男性の場合もそうです)。

 また、夜も電気をつけたまま、就寝ということになります。

 このような状況のため、女性の方の方が、留置場がつらいとおっしゃる方が多いような気がします。

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