犯罪ごとの示談の効果の違い

起訴前に示談を成立させるとしてもその具体的効果は犯罪ごとに違いますので、以下、3つの犯罪を挙げて説明します。

示談を行う場合ですので、犯行自体は認めていることが前提です。
ここで、示談とは、加害者である被疑者・被告人が被害者に対し、①一定の金額を支払うとともに、 ②被害者に謝罪し、③被害者がこれを許す内容の合意です。 ①~③がそろっているのが理想ですが、被害者の意向により、②③が削られる場合もあります。

まず、東京都の「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(いわゆる「迷惑防止条例」) 5条1項等の各都道府県の痴漢に対する処罰の規定のある条例についての起訴前の示談の効果について説明します。 上記5条1項に違反した場合の法定刑(法律の定める刑罰)は、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

通常、初犯であれば、示談が成立しない場合は、罰金となる場合が多いです(どこに触ったかによって、罰金20万円~40万円位)。 このような場合に示談が成立すれば、多くの場合、不起訴処分となります。この意味では、示談の効果は大きいです。

次に、強制わいせつ罪(刑法176条)の場合です。 痴漢等にも適用される点は、上記の迷惑防止条例と一緒ですが、より悪い行為による痴漢(下着の中に手を入れる等)に適用されます。 この場合の法定刑は、「6月以上10年以下の懲役」ですので、罰金はなく、不起訴か起訴かです。

この強制わいせつ罪は、親告罪(刑法180条)です。 親告罪とは、犯罪の性質上、起訴をすることによって、被害者の名誉等が害されるおそれがあるため、 被害者保護の観点から、被害者等の告訴権者(刑事訴訟法230~234条)による告訴がなければ起訴できない罪のことです。 なお、起訴後は告訴は取り消しできません(刑事訴訟法237条1項)。

強制わいせつ罪の場合、起訴前にいくら示談をしても、 告訴の取消(通常は、告訴取消書により行います)をしてもらえなければ、検察官は、ほとんど、起訴をします。 検察官は、被害者がお金を受け取り、示談をしても、告訴が取り消されなければ、被害者が被疑者を許していないと考えるようです。

逆に告訴を取り消してもらえば、起訴をされることはなくなり、逮捕・勾留されている場合であれば、その日の内に釈放されます。 このように、示談だけでは起訴前にはあまり効果がなく(判決の際の量刑には影響します)、 迷惑防止条例の場合との示談の効果には大きな差があります。

最後に、東京都青少年の健全な育成に関する条例第24条の3、第18条の6の 「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。」のように、 18歳未満の者とみだらな性交又は性交類似行為を行うことを禁じる各都道府県の条例違反の場合の示談の効果です。 この場合の法定刑は、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。

上記のように迷惑防止条例違反の場合、初犯の場合であれば、示談が成立すればほとんどの場合、不起訴となります。 しかし、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反の場合は、初犯の場合も、示談だけでは、まず、不起訴にはならず、 罰金等にはなってしまいます。 これは、迷惑防止条例違反の場合に比べ、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反の相手方は、被害者ではありますが、 その者との示談だけで、不起訴にするには検察官としては、躊躇があるということなのでしょう。

このように犯罪ごとに、示談の効果は違い、弁護士としては、各罪に合わせ、的確に弁護活動をすることが必要とされます。

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示談と不起訴
不起訴と罰金の違い
示談の効果の違い

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